筒井康隆さんについて、まずは何を書こうかアレコレ考えた結果、最初なので、私がどうやって筒井さんのおっかけになったかにします。誰がそんなことに興味があるんだというご意見はごもっともですが、以前ツイッターで「#あなたの筒井康隆はどこから」が盛り上がってとても楽しかったので、もし読んだ方がご自分のことを思い出すきっかけになったら嬉しいです。
小学生で読んでいた本「赤毛のアン」「シャーロック・ホームズ」など
小学生ですでに筒井さんの本に出会っていたと思ったのですが、過去に自分がファンクラブで書いた文章を読むと、どうやらまだだったようです。記憶は当てにならないものですね(汗)ファンクラブに関しては、またおいおい出てきます。たぶん。その頃は「赤毛のアン」「シャーロック・ホームズ」「アルセーヌ・ルパン」などが本棚に揃ってきて、図書館でも探偵、推理物をよく借りていました。
星新一さんに出会う「おーい でてこーい」
そんな普通の、ちょっと本が好きな小学生でしたが、学校の先生から星新一さんの本を貸してもらってから、ある方向にぐぐぐっと進路が曲がった気がします。最初の本がそれだったかは確かではないのですが『ボッコちゃん』を読んでびっくりし、家で親に「おーい でてこーい」の内容をすごい勢いで語ったのをよく覚えています。ちなみに、そのときの親の反応がイマイチで、おもしろい話をおもしろく伝える難しさを知りました(笑)作家はすごい。
中学生で筒井康隆さんに出会う 『家族八景』
今まで読んだことのないおもしろさの星新一さんに夢中になり、できる限り買っては読みました。そして、たぶんエッセイでよく目にする筒井康隆さんに興味を持ち、本屋でずらっと並んでいる赤い背表紙の新潮文庫の中から一冊をとったのが最初だと思います。それが『家族八景』。エスパー、超絶美人、読心術…。たしかに子どもの好きそうな設定だけど、実際はとんでもない内容なのはみなさんご存じのとおり(笑)不倫、強姦、発狂、事故死、生きながら焼かれる死。そんな状況にある人たちの心の内がはっきりと言葉で書かれてるんですから、いやあ、ショックでしたね。それでも拒否するのではなく、”もっと読みたい”となるのだから私もエラかった(笑)
さらに猫鍋で深みにハマる
そしてさらにショックな「乗越駅の刑罰」に出会ってしまうのです。この作品は、読んでてイヤーな気持ちになり「いつ好転するんだろう」「いつ救われるんだろう」と読み進めていくけど、結局、最後までまったく救われず、読み終わった後もイヤーな気持ちが残るというイヤーな話ですが、その後数十年、ほとんど読み返していないのにいまだに強烈な印象で、たぶん、私が筒井康隆さんに決定的にハマったきっかけと言ったら、「乗越駅の刑罰」になるのだと思います。いま「猫鍋」というとネットにあふれる可愛い写真ですが、「乗越駅」を読んだことのある人がこの言葉に接すると一瞬ギョッとするはず。
エッセイ『狂気の沙汰も金次第』
その後、エッセイ集『狂気の沙汰も金次第』を読んで、作品だけでなく作家のファンになるという恐らく一生で一度のことが起こり、いまに至ります。ずっと憧れ続けた筒井さんを直接見ることができるのは、これから約10年後、それからネットのファンクラブに入ったりして、ますます”おっかけ度”が高くなっていくのですが、そんなこともまた別の機会に書けたらいいなと思っています。完全に自己満足ですが、一人でも読んで、自分はこうだったと思ったり言ったりしてくれたら嬉しいです。まだアンケートの作り方がわからないけど、そんなこともできたらと考えています。
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