2022年に徳間文庫から復刊されました。筒井康隆さん2作目の長篇小説です。
戦争婆さんと、その息子のヤム、マケラ、トポタン、ユタンタンが戦争に巻き込まれていきます。この四人兄弟のモデルは筒井さんと3人の弟さん。
あとがきで筒井さんが、この作品には戦争の「悲惨さ、滑稽さ、カッコよさ、すべてが含まれている」と書かれていますが、まさにそういったことを感じました。
読むたびに、そのときの年齢や、自分や世界の状況によって、強く感じる要素が変わる作品かもしれません。
書籍情報 紙/電子書籍/オーディオ
タイトル | 馬の首風雲録 | ||
著者 | 筒井康隆 | ||
早川書房 | 1967年 | Amazonで見る | |
ハヤカワ文庫SF | 1972年 | Amazonで見る | |
文春文庫 | 1980年 | 解説=直野敦 | Amazonで見る |
扶桑社BOOKS文庫 | 2009年 | 解説=日下三蔵 | Amazonで見る |
徳間文庫 | 2022年 | 解説=成田悠輔 | Amazonで見る |
目次
- 馬頭型暗黒星雲は戦雲に包まれていた
- 戦争婆さんはビシュバリクに帰ってきた
- 戦争婆さんは二番めの息子を兵隊にとられた
- 戦争婆さんはハラカイの湖を越えた
- 長男ヤムは丘の牧草地で卑民ズンドローと酒を飲む
- 戦争は始まった 第二甲隊はブシュバリクへ進撃する
- 次男マケラは丙長の命令で斥候に出た
- 次男マケラは手柄をたて丁長に昇進した
- 長男ヤムは情報を握りトンビナイへ向かった
- 三男トポタンは歌姫ラザーナの危機を救った
- 三男トポタンは歌姫とともに軍隊を脱走した
- 長男ヤムはトンビナイで売込みに狂奔した
- 丁長マケラは心臓の入江で戦闘態勢に入った
- 戦いは終り ズンドローは泣く泣く戦死者の報告をする
- 雪の夕暮れ 戦争婆さんは老いた農婦の歌を聞く
- トンビナイでは戦争成金たちが夜ごと大宴会を開いていた
- 農民解放軍は暴徒と化しトンビナイに火を放った
- 長男ヤムはサガタのホテルで自殺をはかった
- 隊長マケラの率いる船団は敵船団と宇宙で対決した
- 戦争婆さんはシハードの廃墟で歌うたいにめぐりあった
- 末っ子ユタンタンは計略で地球軍四大隊を全滅させた