演奏活動60周年を飾るソロピアノ・アルバム。コロナ禍で人前で演奏できないときに、自発的に作った自主制作アルバムだそうです。
ピアノの前に座り、思い浮かぶ曲をそのまま弾き、曲順もそのままCDになったと、コンサートでおっしゃっていました。
アルバム情報
タイトル | クワイエット・メモリーズ |
Title | Quiet Memories |
分類 | ソロピアノ |
発売 | 2020年 |
アーティスト | 山下洋輔(p) |
ライナーノーツ | 山下洋輔 |
収録曲
- コミュニケーション Communication (山下洋輔)
- Thought of Beatrice (コルシカ民謡)
- ミナのセカンドテーマ Mina’s 2nd Theme (山下洋輔)
- In a Sentimental Mood (Duke Ellington)
- 竹雀 Take-Suzume(山下洋輔)
- Where are You Now? (山下洋輔)
- ピロリー Piro-Lee(山下洋輔)
- 二人でお茶を Tea for Two (Vincent Youmans)
- 寿限無 JUGEMU(山下洋輔)
- キアズマ Chiasma(山下洋輔)
- 明るい表通りで On the Sunny Side of the Street (Jimmy McHugh)
各曲について
- コミュニケーションは「たなばたさま」がヒントになった曲。でも「♪ささのはさらさら」ではなく「♪おほしさまキラキラ」の部分です。わかります?
- ベアトリスはコルシカ民謡です。元の歌を聴いてみたいのですが、まだ見つけられません。親友の画家、松井守男さんに捧げたアルバム「耳をすますキャンバス」Canvas in Quiet で初めて演奏されました。
- ミナのセカンドテーマはトリオ時代からの定番曲。若松孝二監督の『荒野のダッチワイフ』の中で、ミナが歌うメロディを作りました。それを元にトリオで演奏したので「ミナのセカンドテーマ」。
- In a Sentimental Moodはエリントンの有名な曲ですが、山下さん自身のアルバムでは初収録だと思います。歌詞が聞こえてくるような演奏です。
- 竹雀はそれよりもっと前にできていたと思います。竹やぶで雀が遊んでいるイメージ。ピアノの高音部分を思い切り弾きたいという欲求からできたとか。
- Where are You Now? は新曲。本当に問いかけるような、思いをはせているような素敵なバラードです。個人的にはジャケット写真のイメージはこの曲です。
- ピロリー も新曲です。山下さんちに住む猫、ピロとリーが駆け回ってじゃれている様子でしょうか。「ピロリピロリ、ピ、ロ、リ」と聴こえます。
- 二人でお茶を はミュージカルからジャズのスタンダードナンバーになった多くの曲のひとつ。とても魅力的です。山下さんの1985年『センチメンタル』にも入っているので、ぜひ聴き比べてください。
- 寿限無 も昔から繰り返し演奏されている曲で、落語の寿限無「じゅげむじゅげむごこうのすりきれず、かいじゃり…」をそのまま音にしています。【動画あり】
- キアズマ はもしかしたら一番多く録音されてきた曲かもしれません。ブーニンさんはじめ、たくさんの人とも共演してます。メロディが鏡写しのように途中で反転する、とてもおもしろい曲です。
- サニーサイドは、山下さんが中学生の時、お兄さんのバンドにまざって初めて演奏したジャズです。朝ドラ「カムカムエヴリバディ」でも使われてました。ジャズ喫茶のマスターが口髭+ベストの洋輔さんでしたね(笑)【動画あり】
動画
公式YouTubeで動画が公開されてます。